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(B)『虹のヲルゴオル』(橋本治著 講談社文庫) [本]

「中味は外国の映画女優に関するエッセーです。」と最後に著者が記しているように、13人の有名な女優を選び、代表的な作品を詳細に分析しながら、その女優の特徴を描き出す。見た目だけでなく、どういう女性であるか、男性にとってどんな存在であるかを、その映画の中から見て取り、彼女の人生まで見切ってしまうという内容。
元の本が出版されたのは1988年。著者は40歳手前にして、女性のことも男性のこともよくわかっていた。これは恐ろしい。
著者が高校生の頃、映画評論家になりたかったぐらい、映画をよく見ていたとは認識していなかった。日本も同じだが、70年代までの一流の映画女優が特別な存在であったからこそ、このような明解な本が書けたとも言える。そして著者の中で、見るべき映画もその後出てこないということだったのかも。
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