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(V)『デリヘル嬢 癒しの肉体』(2019年 竹洞哲也) [ヴィデオ]

ピンク映画の原題は『密通の宿 悦びに濡れた町』。
国の補助金をもらって作ったゴミ処理場が環境汚染となり風評被害を受けたという設定は、本当は原発問題とみるべきだろう。舞台はさびれた港町。
主人公は、客が来ない民宿を経営している。そこへ全国を放浪しているデリヘル嬢が場所を借りに来たり、やはりいろいろな場所を流れている労働者が一時的に滞在している。
竹洞ー当方による深刻路線の方の作品で、ゴミ処理場を設置した張本人である町長は主人公の兄で、風評被害のあと失踪中。また、その町長のもとへ行った娘が交通事故で死んでしまったことを嘆く父親と、町の人たちは一様に暗い。(民宿に泊まって自殺しようとする夫婦もいる。)
その中で、デリヘル嬢の陽性が皆を立ち直らせるのだ。彼女自身、両親が自殺という過去があるのだが、辛さを知っているから彼らにやさしくできる。
失踪中だった町長が帰ってきて、皆が許すという部分が説得力をもって描けていなかったけれど、放浪していた彼女が帰ってきてハッピイエンドという『悩殺若女将』的な流れに嬉しくなった。
竹洞はヒロインのアップは、愛らしく、この上ないキメ画面。
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