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(映画)『東京おにぎり娘』(1961年 田中重雄) [映画]

主人公の家は、新橋烏森神社を抜けたところの商店街にあって、背広の仕立て屋。かつて流行っていた店も、年取った父親に依頼する人もほとんどいなくなった今日この頃。母親はすでに亡くなっていて、娘が責任を持って家を立て直すという構図は、『やっちゃ場の女』を思わせるが、この作品では、主人公は仕立て屋ではなく、家を改造しておにぎり屋を始める。
子どもの頃から男まさりだった彼女をよく知っている周囲の人たちとのさっぱりした関係が、いかにも下町という雰囲気でよい。縁談をもってくるおばさんたちも居るし。父親が外に子どもをつくっていたというのも、存外ありふれたこどだったのかも。
彼女目当てに毎日通ってくる社長役の伊藤雄之助が可笑しかった。
だいだい最初に約束された結婚はうまくいかないものだが、これもご多分に漏れず、せっかく彼女がその気になったのに、振られてしまう。それでも別の相手が登場してハッピイエンド、というのもよかった。
『恋人』にも東京見物場面があったが、この時代の東京見物--浅草と水上バス--は、意外と今とあまり変わらないかも。
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