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(映画)『不審者』(1951年 ジョセフ・ロージー) [映画]

窓から見える部屋の中の女性が覗いている人に気づいて驚くという開巻がわくわくさせる。
主人公は異常性格者という見方もでき--拳銃を持つと人が変わるという女の指摘もある--、脚本に加わったダルトン・トランボもそれが狙いだったのかもしれないが、ジョセフ・ロージー監督が、松本清張的主人公のように演出したということではないか。
最初の夫殺しは、用意周到に実行されたものだし、そもそも熱を上げていたのは女の方で、主人公は一回拒絶している。二度目も、妊娠している彼女の容態が心配だったため、危険を顧みず医者を連れてきたのが元で、すべては彼女との新しい生活が元凶となっている。
予期せぬ方向に坂道を転がるように落ちていくきっかけとなったのは、家の中で、死んだ元夫のラジオ番組のレコードがかかったこと。それを止めに走った女が突然倒れて、嵐もやって来て、、。
悪いことは露見するという話だが、無残に殺されてしまう主人公が悲しみを誘う。
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