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(映画)『発情物語 幼馴染はヤリ盛り』(2019年 竹洞哲也) [映画]

昨年9月、『言えない気持ちに蓋をして』を見た際、舞台挨拶で竹洞監督は仕事で青森に行っているという話が出ていたが、この作品を撮っていたようだ。その舞台挨拶には櫻井拓也も飛び入り参加していたのだが。。彼の最後になってしまったこの作品は、図らずも彼にふさわしい役柄でかつ主役といえる内容。『レンタル女子大生 私、貸します』の自分レンタル男テルが、十和田湖辺の故郷に戻って、心に傷を負った友達を立ち直らせるという話。
ヒロインを演じるは、川上奈々美。竹洞作品の前二作は共に深澤脚本で、内向的で自分の気持ちを外に表せない未成熟な女性という人物像が出来上がっている。小松公典脚本--またまた小松に戻ったのはなぜ?--ではどう変化するか見ていたら、人物像はそれが踏襲されていたけれど、男の夢の中で淫乱女になるところが新境地だった。
動きの少ない彼女に対して、派手な恰好をしてご当地アイドルを演じる辰巳ゆいが、こちらも彼女本来の持ち味を出して好対照。
「子どもは親にとってサイコウノバカヤロウだ」と母親に言われてしまうテルは、やはり自分の思ったとおりに突き進み、最終的には友だちを立ち直らせることに成功するが、二人の女性とは妄想や夢の中だけで、現実には何の交渉もないという可哀相な立場だった。東京にいる彼女!に電話で不満をぶつけて、また活躍しそうな余韻を残していたのだが。。
青森までロケに行ったり、ドローンを使う経費がよくあったなと心配してしまったが、彼女が家まで走る場面では、ドローンを使ったり、十和田湖を背景とした風景は、若者たちの物語の余韻をさらに増幅させてくれた。
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