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(V)『ゲッタウェイ』(1972年 サム・ペキンパー) [ヴィデオ]

刑務所に収監中の主人公を見せるところから始まる。自分の妻とのことを思い出す場面が突然入ったり、確かに編集に異質な感じを受ける。また、後半では発砲する時や撃たれる際は、必ずスローモーションの画が挿入されるペキンパー形式が徹底されている。
主人公は模範囚として出所するのだが、その出所も裏から手引きしていた人がいたようで、出所早々、冷静沈着に強盗をやってのける主人公(とその妻)の腕を見込んで、銀行強盗の仕事が入る。
結局この話は、主人公と妻、他二名が、銀行を襲ったが、仲間の一人に裏切られ、二人は50万ドルの現金を持ったまま、男と組織をかわしながら逃げるという単純なもの。そこで見どころとなるのは、スティーヴ・マックイーン演じる主人公の、自己規律や専門能力の高さ。
強盗はするが人を殺したくないというのがまずある。(それによって、危機に陥ることもあるのだが。)また、スリに金を捕られてしまっても、冷静な判断ですばやく見事に取り戻す。(しかしそれで警察に指名手配されてしまうのだが。)
ゴミ収集車で運ばれて、ゴミの山から這い出ることで二人の縒りが戻るという挿話もよかった。見るものは、完全に二人の逃避行を応援する立場になるので、悲劇的な最期は望まない。
この映画がすばらしかったのは、期待に応え二人が、逃げおおせるところだ。それも国境を越え、ペキンパー監督の好むメキシコへ。
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