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(B)『血とエロスはいとこ同士 エモーショナル・ムーヴィ宣言』(真魚八重子著 Pヴァイン刊) [本]

著者がブログや同人誌などに書いた、映画評を集めたものとのことで、好きな作品を字数制限なく書いたものというのが特徴。
洋画もあるが--初めてシャマラン映画を見てみようかという気になった--、邦画が多く取り上げられているのが嬉しい。見ていなかった作品も結構あったので、今後の楽しみが増えた。
渡辺文樹映画について書かれたものを目にしたのは柳下に続き二度目で、執拗に映画の雰囲気を伝える文章は、渡辺作品が持つ熱そのものではないかという感じを受けた。
著者の特徴として、女性の生理に合うか否かというのがあって、日活ロマンポルノ評にはその視点が多く登場するのが、新しい見方として参考になる。著者によれば、「ある切り取られたにすぎない時間が逆に、物語に支配されない、ただ映画としてそこに存在する<純粋な映画>となってい」る作品の第一人者は曾根中生ということらしい。
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