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(V)『夕陽の丘』(1964年 松尾昭典) [ヴィデオ]

クライマックスから始まるような映画。歌でいえばサビから始まるような。男がひとりで函館に逃げて、女が来るのを待っているという形式も珍しい。(文字通り「俺は待っているぜ」状態だが、この歌を弾き語りで歌わせたのは、松尾監督が同名作の助監督だったためか。)
しかし、待っているだけではドラマにならないので、地元のヤクザ相手に花札のイカサマを暴いてみたり--この場面は本格的花札勝負で一番の見どころだった--するが、本筋とは関係がない。
設定や全体の雰囲気はよいのに、何かしっくりくるものがないのは、女が最後に殺されるという予測どおりの結末だからという訳ではない。結局、これは男二人が女を取り合う話で、貫禄ある裕次郎に似合わない役柄だからということかも。
上司と女がいなくなって、主人公はこれからどうするという最後で、女を二役--髪型で違いを出していて--とした効果が出た。
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